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  • 美波

今までとこれから(前)


もともと仕事をすることが大好きだった。


深夜までPCに向かうのは日常茶飯事。


やりがいに勝るものはなかったから、それでもよかった。


今でも、それがよかったと思っている。


***



高校まで大阪で育ち、ニューヨークの大学へ進学した。


小さい頃から海外で学ぶことにずっと憧れていて、迷わなかった。


ファッションマーケティングを専攻しながら、大手日系商社のNY支社でインターンをさせてもらい、初めてほんの少しだけ社会をかじった。


私って何もできないなぁと自分にがっかりすることもたくさんあった。



刺激たっぷり、大荒れの大都会で揉まれながら、無事卒業し、帰国後新卒で選んだ会社はスタートアップだった。


東京に本社を置くその会社が与えたのは、新卒だけで大阪支社を立ち上げるというミッション。


将来独立したいと思っていた私は心が踊った。



新卒メンバー5人。


会社から徒歩圏内に引っ越して、無知なりに打ち込んだ。


振り返れば笑ってしまうこともあるけれど、仕事に対する姿勢の基盤を作ってくれた大切で大事にしたい経験。


その時の上司には今でもお世話になっている。



***


その後、たくさんのドラマを経てその会社を退職したのがきっかけで、大阪から東京へ移動し大手総合PR会社に勤めた。


当時は既に何百人もの社員数だったが、社風にベンチャー精神が根付いていて、チャレンジしたいと思った。


が、想像以上に忙殺の日々。深夜・休日勤務で辻褄を合わせたり。


地方に出向したり。毎日気づいたら日が暮れていた。


それでも仕事終わりの深夜に飲みに行っていたから、元気だったなぁと思う。



ただ、同世代の同僚や上司、社長のエネルギーは更に凄まじかった。


業績倍々成長の影には必ず人の努力があって、今思い出しても華麗であっぱれだったと思う。


心から優秀。良い刺激をたくさんもらった。


***




大きな出向案件が終わりホッとしていた時に、1社目の元同僚から会社を興すから創業メンバーにジョインしないか?と誘われた。


最初は時間が空いた時に少し手伝う程度だったが、気づいたらPR会社も退職し、創業メンバーとしてがっつり仕事をしていた。笑


PR会社で勤務していた時は、次こそはワークライフバランスを確立したい!なんてボヤいていたのに、それ以上にせかせか働く自分。



今月売り上げなければ、来月潰れるというギリギリの状況下、目の前にやることがあるならやるしかない精神。


膝を突き合わせて、毎日試行錯誤を繰り返す日々。


このギリギリの状況は2年続いた。


スーパーへ行って、お肉高い、買えない。。なんてこともよくあったな。笑


あの時の精神状態はもう忘れたけど、必死だったと思う。


ただ神様はちゃんと見てくれていて、結果になって現れる。



自宅兼事務所から、初めてオフィスを借りれた時は飛び上がりたい程喜んだっけ。(実際飛んだ)


翌年、初めてのオフィスから大きなオフィスへ移転した時の気合いと責任。



初めて社員を雇用した時の喜び、大事な社員が去っていった時の言葉にできない悲しみ。そして無力感。


一つ一つのステップアップに、多くの喜怒哀楽が交差した。


できることは、何があっても前に進むこと。


そして、絶対に恩を忘れないこと。


***



一瞬の5年だった。


ヨチヨチからスタートしたのに、戦い方を学んで気づいだら会社らしくなっていた。


変な話だが、会社になっているのが冗談みたいで、創業メンバーで昔を思い出してよく笑ったなぁ。


創業当時は駐車場で、非常階段で、出先で、所構わず即テレアポとかしていた。笑


小さな案件でも全国行脚、飛んで行ったっけ。


海外出張では足が棒になるまで駆け回り、お決まりの安宿2段ベッドで闘志を燃やした。


特に私は0→1を作ることが苦手だから、仕事を通して出会った人たちに本当に鍛えてもらった。




そして、走り続けていたら、あっという間に30代を迎えていた。


***


色んなことを片付けて、創業メンバーだった会社も円満退職し、今はバイロンベイでヨガ修行をしている。


振り返れば高校生の時に始めたヨガは(空白期間あり)、いつも私を救ってくれた。




仕事の合間を縫って作る、たった1時間のヨガの時間がどれだけ貴重だったか。


散らかった心をクリアにしてくれ、よし仕事に戻るぞという気にさせてくれた。


大げさかもしれないけれど、ヨガに出会ったことで自分の対処法を知り、随分と生きやすくなった。


今もし目の前にやるべき仕事を渡されたら打ち込む姿勢は変わらないが、今はヨガに打ち込みたい。と思っている。



バイロンベイの広い青空の下、大きな海を眺めながら、ジェットコースターのように過ぎた20代を思い出すことがある。


でも、やり切ったと思えるから、胸を張って次のスタートを切りたいと思う。


(後編につづく)


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